旧金森美
洋物店
函館は、明治から昭和にわたり、未曾有の大火を経験してきました。明治11(1878)年、12年の大火では、ほとんどの市街区域を失いました。
このため開拓使は、市街の区画整理と不燃質家屋の奨励に乗り出し、明治12年に被災した初代渡辺熊四郎もその施策に応じ、明治13(1880)年11月、開拓使の茂辺地煉瓦石製造所の煉瓦を使用した洋風不燃質店舗「金森洋物店」を開店させました。
当時の金森洋物店は、舶来製の小間物、雑貨品を販売し、明治40(1907)年の大火では、周囲の不燃質店舗が焼失する中で、金森洋物店のみが難を逃れました。大正14(1925)年まで金森洋物店として使用された建物は、昭和38年、北海道指定有形文化財となりました。
この建物は、昭和44(1969)年から旧金森洋物店、「市立函館博物館郷土資料館」として開館してしていましたが、建築以来、すでに100年以上の年月が経過していたため老朽化が著しく、1998から休館し、明治13年建設当時の形に限りなく近く復元され、さる平成11(1999)年10月1日より新しく「市立函館博物館郷土資料館(旧金森洋物店)」という名称でリニューアル・オープンしました。
建物が北海道指定有形文化財となっているとおり、函館の明治の商家建築として貴重であり、展示についても「明治 函館のハイカラ商い風景」というテーマで、趣向を凝らした内容になっています。 |